安心感がもたらす力

私たち一人ひとりは、日々自分が守られ安全であると感じる必要があります。これは私たちの重要なニーズのひとつです。まさにこのニーズこそが、身体的にも感情的にも安らぎを得たいという欲求の基盤となります。どんな家でも、どんな通りでも、あるいは職場のグループでも――私たちがどこにいようとも、何も自分を脅かすことはなく、周囲の空間が自分を支えてくれていると感じることはとても大切です。これは外部の危険だけでなく、時に暗い廊下に忍び寄る影のように、こっそりとやってくる内面的な不安にも関わります。

保護されたいというニーズが満たされないと、強い不安や緊張、さらにはパニックが生じることがあります。想像してみてください。薄暗い廊下を歩いていると、曲がり角の向こうに誰かが待ち伏せしているかのように感じ、心臓がロックコンサートのドラマーのように鳴り始める。壁はそばにあるけれど、その支えだけでは安心して次の一歩を踏み出せないように思える――そんな状態は多くの人が経験しています。私たちは皆、実際には出口があると知りたいし、ときには「大丈夫だよ」という一言が安定感を取り戻すきっかけになるのです。

ここで大切なのが、自分の安心感を大切にすることです。守るための仕組みは、頑丈なドアや信頼できる鍵だけによって成り立つのではなく、内面的なコントロール感にも支えられています。時には簡単な行動だけで十分な場合があります。たとえば、身近な人に電話してみる、明かりをつける、自分の呼吸を意識してみるといったことです。脳は安心を思い出させてくれる小さなきっかけを好みます。たとえほんの小さな行為――慣れ親しんだ壁紙に触れるとか、あたたかいお茶を一杯飲むとか――であっても、落ち着きのための錨（いかり）となるのです。

「守られている」という感覚は、驚くほどの効果をもたらします。不安と向き合う力を与え、コントロール感を取り戻し、さらには新たな一歩を踏み出す力を湧かせてくれます。安全だと感じられると、暗闇はそれほど怖くなくなり、廊下の風は脅威ではなく、むしろ心地いい涼しさに感じられるでしょう。ところで、暗い場所といえば、心理学者がこんな冗談を言うことがあります。もし廊下が怖いなら、壁の向こうには怪物ではなく、温かいパンを持った隣人がいるところを想像するといい――そうすればすべてが違った見え方になるのです！

何より大切なのは、自分自身を大事にし、保護されたいというニーズが誰にとっても自然なものであることを忘れないことです。そして、たとえ小さな日々の行動であっても、この安心感を育むことで、私たちの生活はよりあたたかく、穏やかで、喜びに満ちたものになるのです。たとえどんなに暗い廊下にいても、安全と内なる平和へと続く道を照らす光は必ずあるのです。